生口が出来る霊能者

生霊の降霊、生口(いきくち)

霊体と言葉を交わす

生口(いきくち)とは生霊を自らに憑依させ、その霊魂と依頼者が直接会話することが出来る口寄せ霊能術の一種です。口寄せの術は、霊的修行を積んだイタコによる霊媒が有名ですが、先天的霊能力を持つ霊能者の中にも降霊を得意とする霊能者が数多く存在します。

特に依頼者が、難しい恋愛成就の相談などのような複雑な人間関係を根本の悩みとして抱えていると判断した場合、霊能者はこの生口によって対象となる人物の霊体を呼び寄せ、自らに憑依させます。霊魂は嘘をついたり偽ったりすることが出来ないので、生口は人間の複雑な理性である見栄や自尊心や不安感などを超えて、依頼者と霊体が素直な心で言葉を交わすことを可能とし、依頼者は相手の本心を知ることが出来るのです。

恋愛相談と生口

想いを刻み込む

霊能者への生口の依頼で多いのが恋愛成就相談です。片想い・遠距離恋愛・不倫・復活愛などの複雑な恋愛の悩みも、相手の本心を知ることが出来るだけでなく、依頼者の心からの想いを相手の深層に刻み込むことが出来るのが生口です。

例えば、不本意な別れで連絡が取れなくなった過去の恋人や、海外に長期滞在している遠距離恋愛中の恋人、将来に常に不安を抱きつつ恋愛関係を続ける不倫相手、想いを打ち明けられない片想い中の相手など、霊能者を介して会話し、相手の本心を知ることも、相手の霊魂に自分の想いを知らせることも出来るということです。

男女の関係は、お互い好き同士でも、些細な出来事がきっかけで素直になれず別れへと発展するケースは多々あります。生口によって、相手が自分を想っていることが分かった場合は、自分の素直な想いも相手の霊魂に伝えれば、その想いが相手の深層に伝わります。反対に、依頼者が本気で愛情を抱いていても、その想いとは裏腹に、相手が遊びだったり、依頼者を裏切っていることが分かるケースもあります。その場合は、霊視で未来透視をしてもらい、自分と相手の未来を占ってもらうと良いでしょう。霊能者は霊視や縁結び・縁切り、霊魂鑑定などの霊能力を複合的に活用し、生口の霊能力によって今後向かうべき道への助言も与えてくれるのです。

霊能者とイタコ~霊能者と霊媒師の生口

霊媒の風習

生口については、イタコの口寄せに触れないわけにはいかないでしょう。

イタコとは東北地方の霊媒を職業とする女性を指し、厳密に語れば霊能者とイタコはイコールではありません。日本がまだ貧しかった時代に、結婚や出産・育児が難しいとされていた盲目または弱視の女性が、社会的役割を持ち生きるための職業として、霊媒を生活の糧とするイタコが生まれたと言われています。現在では、青森県で無形文化財として指定されているなど、歴史習俗的な意味合いも大きいとされています。イタコは、幼少または十代はじめから厳しい修行を続け、霊媒に必要な力を後天的に身に付けるそうです。

一方、霊能者と呼ばれる霊能力者の多くは、先天的に生まれ持った霊能力を研ぎ澄ます修行を積み、その能力を高めてゆくと言われているので、その点からも霊能者とイタコは大きく違っています。また、霊能者は、生口のような口寄せの他に、霊視・除霊・浄霊・思念伝達・波動修正などの多種にわたる霊能力を使い分けることが出来ます。依頼者の相談の内容の複雑さや現在の状況を考慮して、最も問題解決にふさわしい方法で、相談者をよりよい道へ導いてくれるのです。

霊能者の行なう生口は、複雑な人間関係の問題解決を目的として、霊視などの複合的な霊能力による助言を受けたい方に良いでしょう。一方イタコの生口は、歴史ある習俗的な要素が強いため、代々受け継いできた楽器や経文など霊媒の専門的な慣習を重んじ、イタコ特有の手法での口寄せを体感したい方に良いでしょう。どちらにしても、依頼する人物がその霊能力や霊媒の風習を信じ、新たな未来を見つけようとする意志で生口を受けることです。

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